不思議猫の夢
部屋に帰った敬一は猫のユキをベッドの端に寄せ自分もベッドに入った。
まだ息は荒く苦しそうにしている。
敬一はユキの前足を摩りながらベッドに横たわっているといつしか眠りに入っていった。
夢をみて驚いて目が覚めた。ユキが敬一と話をしている夢だった。
「敬ちゃん、ありがとう。」と言いながらベッドの上で丸くなっているユキがいる夢だ。
でも今僕の横でまだ荒い息をしながら横たわっていた。可哀想にと思いながらまた眠りに入っていった。
顔に暖かい何かを感じて目が覚めた敬一は、夢の中にいるのか現実なのかピンとこない感覚で目を開いた。
目の前で荒い息をしながら横たわっていた猫のユキが座っている。
目の前に座っている。息の荒さも感じさせない。
僕はそーっと手を伸ばしてユキに触れてみた。昨夜まで少し冷たかった身体も温かさが戻っているようだった。
ユキは僕の手に顔をすりよせて来て嬉しそうにしている。
良かった。助かったんだ。生き延びたんだと感じ抱き寄せた。
ユキは何の抵抗もなく僕の腕の中に入ってきた。
そのままリビングに向かうとお父さんがいた。お父さんはユキを抱いた僕を見て「良かったな。でもまだ油断するなよ」と言った。僕は「うん。元気になったみたいだよ。お父さん僕が面倒みるから僕の部屋で飼っていいでしょう?」と初めて飼って良いかを尋ねた。
お父さんは何も言わず頷いた。
僕はユキに牛乳を温めて与えてみた。昨日は牛乳に顔を近づけることもしなかったユキがペロペロと舐めはじめた。僕の心の中ではもう大丈夫だと思えた。
学校に行く前に取りあえず新聞紙を切ってダンボールに詰め簡易トイレを作り、水を与えてミルクと一緒に置いて「学校から帰ってきたらちゃんと用意してあげるから待っててね」と言って家を出た。
学校でもユキが気になってしょうがなかった。下校時には走って家に向かい部屋に入って行くとユキが僕にすり寄ってきた。
「ちょっと待ってろユキ!餌を買ってきてあげるからね」と言い残し、貯金箱を開けて「お母さ~ん、猫の餌とトイレを買いに連れて行って~」とお願いして連れていってもらった。
続く

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